地下街の砕けたガラス戸
地下街の砕けたガラス戸に刻まれた魂が俺の心を鷲掴みにした
誰がやったのかなんてわからない
でもそれを見た瞬間 ピカソの絵を見たような錯覚にとらわれたんだ
拳で殴ったような割れ方 きっと痛かったんだろうな
俺ならもっと上手く割るさ でもそれだけじゃ意味がない
眠りから覚めた太陽の陽射しさえ届かない地下街
欲望が振袖振って歩く場所
俺も真似して一枚割ってみるけど
手が血を吐いただけでちっともキレイじゃなかったんだ
誰か叩き割るコツを教えてくれよ 今ならうんとサービスするぜ
どうも俺の力じゃ見てくれが悪いんだ あのショーウィンドウを割ってみせてくれ
砕け散る音が聞きたいんだ 水の張ったようなあの透き通った音を
後始末なんて知ったことじゃない 酔いしれて逃げるぜ
俺だけの割り方 そいつを見つけたいんだ
俺だけの割り方
トンネルみたいに暗い蛍光灯の切れたC階段の辺りは異臭が漂ってるんだ
息を止めてさっとすり抜ける
そのガラス戸を割った奴は 濁った空気を吐き出したかったに違いない
やけに肌寒い吹き抜ける風 ここはすっかり冷え切ってる
寝泊まりする浮浪者だって ほら誰も寄りつかない
次の夜にはすでにガムテープがびっしりと隙間無く貼られてて
それだけであっさりと興味が失せちまった
時間かけて全部割ってやったら
一週間後には全部元に戻っていやがったんだ
その時すごく感じた寂しさは今でも頭にこびりついている
誰か憂さ晴らしする場所を教えてくれよ 今ならおまけでヘロインもつけるぜ
どうもこの地下街は居心地がいいんだ 着飾るマネキンに口紅塗ってやりたい
排気ガスなんて吸いたくない 地下鉄のレールの軋む音が俺のBGMさ
ガラスの破片で名前を刻み込む 酔いどれて眠るぜ
俺だけの割り方 そいつを見つけたいんだ
俺だけの割り方
地上だってここだって景色が違うだけで結局は何にも変わっちゃいないのさ
汚らわしい目で見るドブネズミ達
黒ずんだ魂を持つヤツらより ここに住んでる俺達は綺麗な心を持ってる
害虫を駆除する清掃者達 おもちゃを取り上げないでくれ
人の匂いのしない地下街に 喜びなんて一つもありゃしない
「誰も人の幸せを取り上げる権利なんてない」 誰の言葉だっけか
だから俺は飽きもせずガラス戸を割り続けるのさ
不規則に割れる芸術品が見たくて
今日も遠くまで足を伸ばしてあの音を聞きにいくんだ
誰か叩き割るコツを教えてくれよ 今ならうんとサービスするぜ
どうも俺の力じゃ見てくれが悪いんだ あのショーウィンドウを割ってみせてくれ
砕け散る音が聞きたいんだ 水の張ったようなあの透き通った音を
後始末なんて知ったことじゃない 酔いどれて踊るぜ
俺だけの割り方 そいつを見つけたいんだ
俺だけの割り方
誰か憂さ晴らしする場所を教えてくれよ 今ならおまけでヘロインもつけるぜ
どうもこの地下街は居心地がいいんだ 着飾るマネキンに口紅塗ってやりたい
排気ガスなんて吸いたくない 地下鉄のレールの軋む音が俺のBGMさ
割れたガラスで名前を刻み込む 酔いどれて眠るぜ
俺だけの割り方 そいつを見つけたいんだ
俺だけの割り方 俺だけの割り方