宝石
優しい宝石になれないのなら
私は静かなうみに身を投げるよ
たなびく髪がからみついて
うなじを撫でるように優しくなぞるよ
冷たい素足にきらびやかな蝶が
いのちを持ったようにうごめきつづける
片方の羽根だけでも 飛べるのなら
黄金色のうみの中へ
捕らえられた君を連れ出してあげる
素晴らしい世界を見せてあげる
悲しみの空はいつか晴れるの?
夢の欠片は あの向こうに
穢れたからだを 見せたくなくても
君は すでに 真っ赤だから
いつもむせび泣いてる小鳥
宝石は今もきらめいているよ
悲しみの空はやがて晴れるよ
虹の破片は うみのそこに
穢れたからだを 見せつけたとしても
私も すでに 朱いから
宝石は光のなかでだけかがやく