→Rock'n Roll→  Days

   幸せの黒猫

 不幸を振り撒く黒猫が屋根の上に逃げた 
 かなしみ溢れる街を一人見下ろしてた
 寄り添う人間達を眺めながら
 忌まわしそうに身体を丸めていた

 片目のつぶれたカラスが唯一のトモダチ
 大声で鳴き叫べば 今日も誰かが死ぬよ
 口癖は「人間なんて反吐が出るぜ」 
 二人嫌われ者の道を歩く

 幸せの意味を求めて ずっと探してた
 誰かのために生きていたくて 今日もまた探してた

 ひとりぼっちの彼女は 猫を見かけるたびに声をかけた
 昔飼ってた仔猫に似てて 面影を思い重ねてた
 いつもうざったそうに逃げてくけど 嬉しそうに尻尾をふっていた
 言葉は通じなくても どこか繋がれた気がした

 猫は近づきたくても 距離を取っていた
 やさしくしてくれた相手を 失いたくなかったから

 いつの日か猫は彼女の家に住み着いた
 先の不幸より今の幸せを選んだ
 そんな日々を夢見てた
 ねたんだカラスが神様に告げ口するまで

 間もなくして彼女は倒れた 流行りの病気が身体を襲った
 何もできない黒猫は 寝ないで看病し続けた
 相手を想って寄り添い 悲しい運命を振り払った
 かけがえのない存在が やっと見つかった気がした

 幸せばかり続く日々 カラスはそれが悔しくて
「ありったけの不幸を与えて 彼女に車をぶつけよう」
 
 黒猫は彼女をかばった これ以上はもうゴメンだ
 自分のせいで誰かが 不幸になるのを見るのは!
 決死の思いで飛び出した黒猫 「オレが身代わりになればいい」
 それを見ていた神様は 心を打たれて二人を助けた

 彼女は猫をこう呼んでやった
 幸せの黒猫 幸せの黒猫


 music & lylic:Aozora Toku.
 Lead A. Guiter:Ikko
 Vocal:Tasogare
            (黄昏編、049終了時)