→Rock'n Roll→  Tasogare Akane  top      第1巻

   interlude001

 真っ白な空間に、一つの大きな石がある。
 その肌がごつごつした石には、9つの色違いの鎖が絡まっている。
 どれが誰の鎖かはわからないけど、自分の鎖だけはすぐに見分けられた。
 今朝見た朝焼けと、同じ色。
 普通なら何かを何かを混ぜた色、と表現するのが正しいんだろうけど、その色は、他の色の組み合わせじゃない独特な色を放っていた。
 自分自身の色。
 でも。
 よく見ると、同じ色の鎖が二本、俺の鎖にぐるぐると絡まっていた。
 片方は、俺のとは全く違う印象を受ける鎖。もう片方は、見栄えの良くない俺の鎖を補うように絡まっていた。それの絡まり様は、まるで芸術作品のように1mmの隙もなく、観る者を惹き付ける。
 これは誰の鎖なんだろう?
 これは誰の鎖なんだろう?


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