interlude002
真っ白な空間に、一つの大きな石がある。
その肌がごつごつした石には、9つの色違いの鎖が絡まっている。
俺と全く同じ色の鎖がある。
よく見るとその鎖は、俺と対称的に石に絡まっていた。
その鎖は、俺のと違って今にも消えてしまいそうな儚さを持っている。ともすれば見逃してしまいそうになるほどに。
でも、観る者の心に強烈な存在を遺す鎖。他の鎖と違って、実体を持っていないような非現実的な印象を与える。
石に絡まっているのが嫌で嫌でたまらない、そう全身で叫んでいる。
俺にはその姿が、泣いているように見えた。
泣いているように。