→Rock'n Roll→  Tasogare Akane  top      第1巻

   interlude004

 真っ白な空間に、一つの大きな石がある。
 その肌がごつごつした石には、9つの色違いの鎖が絡まっている。
 その中に一つだけ、光り輝いている鎖があった。
 自ら光を放って、自分の存在を強烈に示している。
 でも、その絡まり方はひどく不器用な上に無茶苦茶で、何が何だかわからない。一つの個所に4重にも5重にもぐるぐる巻きしている部分もあれば、石の一部分にぎっしり偏っていたりすかすかな空間があったり。
 だけど、それが何故かカッコよく見える。
 この鎖と同じ石に一緒に絡まっていられるだけで、強くなれる。そう思わせるだけの力強さが鎖に漲っている。今にもはち切れんばかりに石に絡みついている鎖。
 その姿が、とても羨ましく思えた。


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