→Rock'n Roll→  Tasogare Akane  top      第1巻

   interlude009

 真っ白な空間に、一つの大きな石がある。
 その肌がごつごつした石には、9つの色違いの鎖が絡まっている。 
 最後の鎖は、やわらかい色をしている。
 見ていて心が落ち着く、とてもとてもやさしい色。
 他の鎖と丁寧に絡み合ってて、無理がない。その姿は、子供を抱きかかえるような母親のそれに似ていた。
 でも、目を凝らしてよく見ると、鎖には所々にひびが走ってて、いつ砕けてもおかしくない。見た目よりも思った以上に、自身に負担がかかっている。
 それでもその鎖は、自らその状況を進んで受け入れてるように見えた。
 聖母のような微笑みを浮かべて。
 その姿に、深い感謝をせずにはいられなかった。


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