interlude006
真っ白な空間に、一つの大きな石がある。
その肌がごつごつした石には、9つの色違いの鎖が絡まっている。
一目見て、気に食わない鎖があった。
真っ黒な鎖。
本来の色を隠すように上から漆を塗りたくったような、奇妙な黒。
俺の鎖とも、上手な絡み方をしていない。嫌々絡んでいるような、そんな感じだ。
でも、二度と離れまいとしてるように、要所要所でしっかりとしがみついてる。
そう、しがみついてるという言葉がぴったりだった。他の何本かの鎖とも同じように絡まっている。
それはまるで、遊園地で迷子になった子供が親を見つけてぎゅっとズボンの裾を掴んで離さない姿のようだった。