→Rock'n Roll→  Aozora Tokunaga  top      第2巻

   interlude005

 他人に知られたくない自分の姿って、みんな誰しも持っているはず。
 何かの偶然で誰かに見られてしまった時、君ならどうしよう?
 誤魔化す?隠す?貫き通す?口を塞いで貰う?
 恥ずかしいから。マズイから。いろいろ問題はある。マスターベーション位なら、好きな人に見せても我慢できる人もいるだろう。SEXなんてお互いを曝け出す行為だし。
 秘密には二つの種類がある。
 自分が望んで隠す秘密と、どうしても隠さなければならない秘密。
 幸い僕には後者は無い。前者もただ恥ずかしい理由だから、と言うだけ。指しゃぶりの癖がずっと抜けなかったこととか。他にもまだまだたくさんあるけれど、それは秘密。
 だから常に自分自身を隠し通している人の気持ちは、僕には良く分からない。
 でも隠す必要のある秘密を抱えながら生きている人は、辛い日々を送っていると思う。
 特に自分の人生を変えてしまうほどの大きなものを抱えてしまった人は。
 もしふとしたことでそれを知ってしまった時、一体どうすればいいのかな?
 ――多分僕は何もできなくて、途方に暮れていると思う。


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