→Rock'n Roll→  Aozora Tokunaga  top      第2巻

   interlude006

 誰かと一緒にいると、必ずしもいいことばかり起こるとは限らない。
 無二の親友でも、それは変わりない。相手の全てを丸々受け入れられる、そう言う人は聖母様か、向こうが自分の鏡かでしかありえないと思う。
 我を通すと言うことは、それだけ周りの人間に何かしらの影響を与える。自分が望んでいようがいまいが。
 電車の車両同士が連結するように上手くはまれば良い。凹凸が無いほどその人と気が合うだろうし、形が全く違えば扉の鍵が合わないように最初の一差しで弾かれてしまう。
 そこで喜びを感じたり、ストレスで胃に穴を開けたり。
 人が生きると言うことは、他人とぶつかり合うこと。
 削られて丸くなる人もいれば、でこぼこのまま転がり続ける人もいる。
 僕はと言えば、ぶつかった痛みを我慢して笑顔を見せるタイプかな?
 いろんな人と楽しく笑い合っていたい。嫌われるのはとても嫌だけど、それ以上に誰かと喜びを分かち合いたい気持ちの方が勝っているから。
 でもやっぱりお互いに気心の知れたトモダチが一番、一緒にいて気が安らぐ。
 ――その関係が崩れる日が来るなんて、想像したくもないし、できない。


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