interlude012
「ねえねえ、アタシ思うんだけど、運命ってあると思わない?」
「うーん。あたしもあることはあると思うけど、何もそれっていいことばかりじゃないよ」
「でもさ、自分が誰かの運命の人だったら!なんて考えるとさ、ワクワクするじゃない?」
「そうだよね。でも運命って言うと大げさに聞こえすぎて、あたしはあんまり好きじゃないかな。なんだか大変なことに巻きこまれてる感じだもん」
「でもやっぱりね、みんな非日常に憧れてるの。だからトレンディードラマもウケるのよ」
「それって横から見てるからいいんじゃないのさ?何も自分から望んで不幸な役柄になんてなりたくないでしょ、普通の人ってさ」
「ウルサイわねアンタは。そーゆーのに酔いしれるのがいいんじゃない」
「えー。あたしはよくわかんないな、そういうの」
「そんなコト言ってるけどアンタだって自分から首突っこんできたクセに」
「無理矢理腕引っ張ってられて連れてこられたんじゃないのさ、あたし」
「運命なんて何の前触れも訪れるものよ?Do you know?」
「何で英語なのさ。それに本人にとってはそんなのわかんないものじゃないのかな?」
「ま、自分が物語の主人公だと思って生きてるひとはいないでしょーねー」
「でも人はそれぞれ自分の物語の主人公、とでも言うんでしょ。かっこつけなんだから」
「う”(図星……)」