interlude013
この世のものは対で出来ているんだ。
光と闇。喜びと悲しみ。右と左。男と女。
片方がもう片方を成り立たせ、形作っている。
僕と君。自分と他人。個人と世界。
その間には絶対的な隔たりがあって、こちらの声は完全に届く訳なんてない。向こうの気持ちにだって、僕は気付きさえしない。
普段何気に会話していると、相手に全て届いてると勘違いしてしまう。
でも本当に伝えたいと思うなら、ありたったけの声で叫ばなければならないんだ。
僕等の声は、距離を泳ぎ切れるかい?
感じ取る姿勢が必要なんだ。声を受け止めようとしないと、何も聴こえない。
そのことに気付かないと、大切なものまで見逃してしまう。
いい加減認めようよ。一人じゃないんだってことに。
新しい世界は、きっとそこから見えて来るから。