interlude016
どれだけ一緒にいたって、他人の気持ちが100%解るはずも無い。
それ以前に、相手も自分と同じように頭を悩ませ日々生きている人間だって事を忘れそうになる、自分が自分の物語の主人公と思い生活していると。
でも、そうじゃない。
自分には決して解らない部分があっても、それぞれが個人個人の日々を生きている。それを肝に据えておかないと、自分の枠組みの中でしか相手を見る事ができなくなる。
押し付けがましい考えは、誤解と怒りを産み易いもの。
だから心にアンテナを立て、相手の気持ちを汲み取れるようになろう。
僕が相手を求めるように、相手も僕を求めている――はず。
誰かに必要とされる瞬間を感じれないと、人生はとてもつまらないものになってしまう。
相手の欲しがる距離、自分の欲しがる距離。
そこに差異は確実に存在するけれど、最適な距離を常に探していたい。
傷つけない距離で、好きな人がこちらの望む以上に近づきたいと思っている時、すぐさまそれを感じれる自分でいたい。本当はいつでも、両手を広げて無防備でいたいんだ。
そう考える僕はきっとお人好しの軟弱者なんだろう。