interlude021
一つのものに夢中になってしまうと、他のものが目に入らなくなる時がある。
新しいおもちゃを手にした時、これまで大切にしていたものから興味が薄れてしまう。一時的に、愛情の対象が移ってしまう。
後から出て来たものがより愛情を注いでしまいたくなるものなら、そのまま新しいものに乗り換えてしまうケースもある。恋人がいるのに新しい対象を求めてしまうように。
所詮、人の心なんてそんなもの。目先の興味にすぐ流されてしまいそうになる。
絶え間無く愛し続ける事は言葉にする以上辛い。それでも、いつまでも無償の愛を注ぎたくなる自分の姿がある。向こうがこちらの方を見てくれているのなら、なおさら。
愛情は数字で表現されるものでは無く、等価値に無数のものに注げる。人の心とはそう言うもの。その器は∞で、本当は底なんて無い。
欲しいものはいくつもある。でも、繋げる手は二つあっても、抱き締めようとするなら両腕を使わないといけない。それもまた、人間だから。
等価値に愛せたとしても、同時に愛情を注ぐ事はできるのだろうか。