「螺旋を描くように時が廻り、その中で日々を過ごす僕達。
この世は僕一人で成り立っていると思っていた過去と違い、大勢の個人で成り立っていると気付いた今。しかし本当は世界が先にあって、その舞台の上で自分は生きているんだと薄々感づき始めている。
現実、自分、他人。どれか一つ欠けても成り立たない世界。
ニュースの向こうで誰かが死んでいる。計り知れない悲しみが聞こえる。
ワイドショーの中で誰かが結ばれている。そこにほんの少し感じる幸せと希望。
自分の手の届かない場所で暮らす人達。あの人達はそれぞれの人生を全うしている。
僕にできるのは、自分と自分の周りを変えて行く事ぐらい。
一歩前に進んだ自分を目指しながら、何かに気付く度脱皮を繰り返し、知らない『初めて』に触れる度新しく生まれ変わる。
欲しいものに手が届きそうで触れられないくらいがちょうどいい。手にしてしまうと僕が僕で無くなってしまう気がするから。満たされるより飢えていたい。少しは見返りが無いと不安になって仕方無いけれどね。
日々生きている事を実感していたい。
この世界は本当は夢なんだって、誰しも一度は願った事があるだろう。そうであって欲しいと心のどこかで今も願いながら、僕は毎日現実に負けないように生きている。
寝ても覚めても終わらない夢を終わらせる為に僕は生きてる。『夢』と言う名の欲望を追い求めて。
明日神様が僕を終わらせるとしても、次の太陽を待ち望んで迎えるんだ。
僕が今の自分でいる事、自分である事を胸張ってこの世に宣言できる、二本足で立つ自分をいつでも誇れる人間でいられるように。
そして願わくばあなたも、そうでありますように。」