u aozora's 100 →Rock'n Roll→  Aozora Tokunaga  top      第4巻

   100.再会

「本当、頼むから勘弁して下さい」
 搾り出すように独り言を呟く。どうしようもない時には独り言って出るものなんだなと思った。
 置き手紙も無い、いつも羽織っているジャケットも無い。着替えやらはそのままになっているので、家出をしたと言う訳でも無さそう。
 目が覚めたら溢歌がいなくなっていたのは初めての事なので、かなり動揺する。せっかくの休日だから家にいる間は二人の時間を堪能しようと思っていたのに。
 買い物にでも行っているのだと思い、30分程布団の中で待っていても戻って来る気配は無い。陽炎のように存在だけが消えてしまったように思え、背筋が寒くなった。
 早朝から散歩にでも出ているのだろうかと考えても、天気がぐずついて今にも降り出しそうな冬の寒空の下、出かけるとは考えづらい。
 とりあえず朝風呂に入り、これからの事を考える。
 姿が見えなくなっただけで、不安に思えてしまうのも考えものと思う。しかし僕と過ごす時間を大切にしている溢歌が、せっかくの休日を自ら潰すなんて何か理由があるとしか思えなかった。
 探しに行った方がいいのか、家で待っていた方がいいのか。
 また、黄昏の所にでも行っているのか。
 こちらから連絡をかけても出ないだろうから、後でキュウ経由で確認してみよう。でも、今更溢歌が僕に何も言わず黄昏の元へ行くと言うのも、考え難かった。
 前に溢歌がいなくなったのは、自分のせい。それにあの時は出会ったばかりで、今のように同居している状態では無かった。なので余計に分からない。
 何か考える節があって飛び出して行ったのか。
 溢歌の話していた事を思い出す。
「心安らげる場所ほど、自分の立ち位置がわからなくなる。満たされ過ぎているとそれ以上自分の存在価値が見出せなくなってしまうから」
 だから一旦距離を置き、自分を冷静に見つめたかったのかな。想像でしか無いけれど、理由なんて他に思い当たらない。
 僕の事を嫌っている訳では無いのは自信を持って言える。なので焦る必要は無かった。しかしこの状態が二、三日続くのなら話は別。
 何より、隣に溢歌がいないと寂しい。
 頭では冷静に受け止められているのに、しょんぼりした気持ちになる。これまでにほとんど感じた事の無い感情。これが孤独と言う感覚なのだろうか。
 黄昏がいてもいなくても、もうすっかり溢歌は僕の心の隙間を埋める大切なピースになっている事を改めて自覚した。
 長風呂に浸かっている間も、玄関の扉を溢歌が開け、戻って来る様子は無い。沈んだ気持ちを引きずりながら、浴槽から出て体を拭いた。
 さっぱりした所で、キュウにメールを入れてみる。電話で話すと面倒になると思ったし、今日は平日で授業中だろうから。送信して数分も経たない内に返信の着信音が鳴った。
 どうやら黄昏は愁ちゃんと仲良くやっているみたい。しかしそれより気になったのは、黄昏と愁ちゃん、イッコーとキュウの4人で千夜の家へ遊びに行ったと言う一文。
 聞いてないよ、と思いつつメールの履歴を確認すると、確かに数日前、誘いのメールと留守録がキュウから入っていた。ねんごろになる危険性があるので、距離を遠ざけようとスルーしていたのが裏目に出たか。とは言えその日はバイトが入っていたし、仕方無い。
 しかし、千夜がみんなを自宅に招き入れるなんて少し前までは想像もつかなかった。キュウを先頭に無理矢理押しかけただけなのかも知れないけれど、ともかくいい傾向。この前千夜とスタジオで会って話したのがきっかけになっているのかな?
 メールの最後に、次の4人集まる練習はいつなのかと書かれてあった。すっかり失念していた。正直、いつになるのかなんて僕にも分からない。とりあえず、またいざこざで本番がボロボロになるのは嫌だから直前まで練習を控えておこうと返信し、携帯を置いた。
 ただの出任せの言い訳なのに、言葉にしてから「それでいいかも」と思えてしまった。全員頭を冷やす方が、好結果に結びつくかも知れない。
 一旦、布団の上に横たわる。この部屋で一人を感じるのは久し振りに思える。たった6畳の狭い部屋が、こんなにも広いのかと思えるほどに。
 寝足りないのか、軽く眠気が襲って来たのでしばらくそのまま大の字でいると、ベランダから小さな雨音が聞こえて来た。溢歌、傘持って行ってたっけ。
 だるい体を起こし、傘立てを確認しに行くとそのまま残っていた。不安になり、部屋に戻りテレビを付け天気予報をチェックする。夕方まではこのぐずついた天気が続きそうと言っていたので、何とか大丈夫か。
 合鍵も持って出かけているようだし、家で待つより探しに行った方がいい気がしてきた。
 身支度を整え、出掛ける準備をする。と言っても溢歌のいる場所なんて、家から岩場までの徒歩ルートの間しか僕には思い浮かばない。ギターを担いで行こうかどうか少し迷うも、雨に降られてしまった時の事を考え、止めておいた
 外に出ると、この冬一番の寒さが僕を襲う。雪でも降るんじゃないかと言うと大げさか。この寒さで溢歌が風邪を引かなければいいんだけど。
 近所を流れる河沿いに、海へ向かう。最初徒歩で向かおうかと思うも、さすがに片道1時間以上かかってしまうので自転車で行く事にした。後に荷台がついているので二人乗りも問題無い。
 河川敷は冷たい風が吹き抜けていた。時折大きく堤防の草がざわめく。夏はあんなにも緑が色づいているのに、芝は枯れ草色になっている。いよいよ本格的に冬が到来した。このまま行けば、年末年始にはきっと雪が降るだろう。
 黄昏とこの季節に、この河川敷を二人で歩いた事を思い出す。たったの一年が遠い過去の記憶。つくづく僕達は順調に時間を過ごせないものだと苦笑してしまう。
 他のバンドも結構メンバーが入れ替わったりしている。たったの二年と半年でも人の入れ替えは驚くほど多い。僕達みたいに主要メンバーが替わらずにいるなんて珍しい方で。
 いつでも綱渡り状態だから、周囲を見渡している余裕なんて無い。特別仲の良いバンドもいないと言うのも珍しい。対バンで何度も一緒に演奏しているバンドも、ほとんどはイッコー絡み。そんな『days』なので、結構周囲からは浮いている。
 そんな事、今考えても特に意味は無い。来年の今頃、この河川敷を通る時には自分達は一体どの位置にいるだろう。全く見えない遠い未来に思いを馳せた。
 結局溢歌の姿も見えないまま、海沿いに辿り着く。普段見かけない大きな船舶が岸辺に泊まっていて、少し驚く。今日はいつもより潮風が身に染み、厚着でも長居していると体調を崩しそう。早く溢歌を見つける為に、勢い良く自転車のペダルを漕いだ。
 しかし今日は、溢歌が岩場にいる予感はしなかった。何故?と言われても分からない。ただ、結果は思った通りになった。岩場の上にいない事を確認し、残念と思うと同時に安堵する。港にいても寒過ぎるくらいで、小雨も降り続く中で岩場へ向かうのは危険過ぎる。
 それなら実家の方にいるのかもと、岩場とは反対方向の漁師の住まいが立ち並ぶ方へと向かう。前に溢歌と一緒に来た時は家の前まで連れて行ってはくれなかったけれど、それほど一軒家が建ち並んでいる訳でも無い。歩き回れば時計坂姓の家はすぐ見つかるはず。
 手前から一軒一軒表札を観て回る。端から見ればかなり怪しい人物に見られなくも無い。幸い、この天気のおかげか外を歩き回る子供の姿も見えなかった。
 家の密集した所には、目当ての表札は見当たらなかった。そこを抜けた所にもまだ数件見えたので、そちらの方へ足を運んでみる。まさかどこにも溢歌の家が無い――なんて、オカルトめいたオチは無いと思いたい。
 少し緊張しながら砂場の道を歩くと、一人の男性の姿が見えた。表札を確認し変な人間に思われるより、人に尋ねた方が早い。声をかけると、振り向いた。
「あの、すいません、ここに時計坂って――」
「あれ、君は――」
 互いに顔をしばらく見合わせる。どこかで見た顔。記憶の糸を辿っていると、先に向こうが手鼓を打った。
「あの時は助けてくれてありがとう。おかげで凍死しなくて済んだよ」
「あー!えっと、名前……」
「泊だよ。泊 夏海。あの後も何度かアプローチかけたんだけどなあ」
 以前イッコーと二人でスタジオの練習の帰りに、道端で酔っ払って倒れていた所を救急車で運んだ泊さん。確か助けたのが1年以上前だったか、一度しか会っていないので顔もよく覚えていなかった。しかし、まさかこんな所で再会するとは、とても奇遇。
「アプローチって?」
「ほら、一緒にいたもう一人のノッポの子。少し調べてみたら有名な子だったから、何回か連絡入れてみたんだけどね、軽くあしらわれちゃったよ」
 そんな事、イッコーは一言も言っていなかった。僕達に余計な事を考えさせないようにする為か。
「何度か君達のライヴは見せてもらってるんだけどね、気付いてた?」
 そう言われ、首を横に振る。あの真っ赤な顔で酔っ払っていた時と普段の顔付きは全然違うので気付くはずも無い。灰色のスーツに砂色のコートで、ややラフな格好とは言え泥酔時のだらしない印象は無く、ラバーズのマスターと同じで格好良い大人と言った感じ。
「次のライヴの出来如何で、ちゃんと正面から声をかけてみようと思っていたんだけど――まさかこんなところで会うとはね」
「それは僕も同じですよ。人捜し中にまさかここに泊さんがいるなんて想像もつかなかったですから。足は大丈夫だったんですか?」
「ひどい捻挫でね、2週間くらいは松葉杖状態だったよ。思えばひどい酔い方したもんだ。病院で医者に怒られちゃったよ、痛みに気付かないくらい飲むなって」
 昔話で照れ臭そうに笑う。普段の泊さんは、とても人当たりのいい印象に思えた。
「ところで、泊さんはどうしてここに?」
 素朴な疑問をぶつけてみると、まいったように頭を掻いた。
「いや、僕も人に会いにここに寄ってみたんだけどね、どうにもいないみたいで……。今日のところは引き上げようと思っていたんだ。うう寒っ」
 強い潮風にコートを抱え震える泊さん。どうして音楽事務所の人がこの時間にここへ立ち寄っているのか、僕には全く分からなかった。
「ああ、良ければ時間あるかな?ちょいと君と話してみたい事があるんだけど」
「あ、いや……あいにくですが今日は時間が無いんで」
「そっか、人捜しだったね。出会える事を祈っているよ」
 断ると、泊さんは残念そうな表情を見せた。話を聞くいい機会と思うけれど、今は溢歌を探す方が先決。次のライヴの時でいい。
 泊さんは改めて名刺を僕にくれた。前回と名刺のデザインが少し違う気がする。
「次のライヴ――ラバーズのクリスマスライヴだっけ?その時に話をさせてもらうよ。ああ、今日の事はあのノッポの子には内緒ね」
 調子良く念を押して来る。僕も今はその気は無かった。
 遠くから船舶の汽笛と、海鳥の鳴き声が聞こえて来る。こんな寒い日でも日常は変わらない。別れの挨拶を切り出せずにいると、海を眺めながら泊さんが口を開いた。
「この海はいいよね。いつ来ても、何も変わってない」
「育ちがここなんですか?」
「いいや、別の場所だけどね。ここは、大切な人との大切な思い出の場所なんだ」
 過去に思い出を馳せる泊さんの瞳は、深い海の色を漂わせていた。
「その忘れ形見を今日取りに来たんだけど……見つからないんじゃしょうがないよね。機会はいくらでもあるから、また出直す事にするよ。青空君……だっけ?」
「はい」
「君も、大切なものを無くしてしまわないように、気をつけておきなよ。んじゃ、また」
 思い出に浸った語り口調で別れを告げると、コートのポケットに両手を入れ、背中に哀愁を漂わせながら泊さんは今来た道を引き返して行った。僕には何の事やらさっぱりだけど、今のが大人と言う奴か。まるでトレンディドラマの1シーンのよう。
 と、黙って背中を見送っている場合では無い。自分の用件を思い出し、我に返る。突然の再会に戸惑ってしまった。しかし、泊さんの用件は何だったんだろう?まさか溢歌を探しに来た訳ではあるまいに。そんな都合のいい偶然なんて有り得ない。
 とにかく、早く溢歌を探そう。足早に残りの家を見て回る。2件目の古い佇まいの家屋、木造の一戸建ての前で僕は足を止めた。
「ここ……かな?」
 古びた木製の表札には『時計坂 ■ 溢歌』と楷書で縦書きされていた。溢歌の名前は左下に、と言う事は家族の一人。家主の部分はマジックか何かで塗り潰されていて、読む事はできない。
 周囲を確認してから試しに玄関の引き戸に手をかけてみると、鍵がかかっている。人のいる気配は無い。周囲に電気メーターがあるか歩き回り、発見したのを調べてみると動いているように見えなくも無い。誰もいないけどブレーカーは落としていないのか。
 この状況から、溢歌は育ての親が亡くなり、孤独に耐えられなくなって僕達を求めたのか――と自然に推測してしまう。溢歌はこの事を知られたくなかったから、前に服を取りに来た時に僕を待たせたのか。
 ここに来ていてもおかしくないけど――引き戸の埃の積もり具合から戻っているようにも思えない。しばらくここで待っていた方がいいのかな。でも、実家へ帰るのはいつも嫌っていたのだから、来るのかどうか。
 とは言え、ここ以外に溢歌が行く場所なんて黄昏の家ぐらいしか思い当たらない。足を運んでみるのも有りだろう。しかし、溢歌がいたとしても手を引っ張って帰れる自信があるかと言えば、無い。強引さの無い所が、僕の弱点と思う。いや、単に相手に嫌な思いをさせたくないだけか。情けなくなるほどお人好し。
 そのまま、どうすればいいのか決めかねたまま、家のそばを歩き回る。空を見上げると黒い雲はそれほどかかってなくて、雨の心配はまだ無さそうに見えた。
 溢歌も同じ空を見上げているのかな?一体どんな思いでいるんだろう?
 無性に人恋しくなり、涙が出て来そうになった。物悲しい冬の海が視界に入っているせいもあるのか。最初の解散騒動の時、ライヴ当日に来ない黄昏を迎えに行って断られた時と似たような気持ち。
 もし、僕の元を離れる事で溢歌の楔を引き抜く事ができるなら、涙を流しながら受け入れてしまいそうな自分が怖い。何もかも手に入らない事を分かっていながら、ずっと生き続けていくのが僕の宿命と思い込んでしまいそうになる。
 どうしてそんなに諦めから物事を考えてしまうんだろう?生まれつきみたいなものなのか、ここを直さない限り僕は欲しいものをずっと手元に置いておけそうな気がしない。
 何かきっかけでもあればいいんだけど。そう思っていた時、携帯電話のバイブが鳴った。
普段は切っているのに今朝のキュウとの連絡で入れっぱなしにしていたみたい。
 またキュウからか、とディスプレイを覗き込むと、予想もしない相手ですぐに出た。
「青空?」
「千夜!……久し振りだね、僕に電話を入れるの」
 思わず大声で反応してしまったせいで、やや間が空く。耳元を押さえ眉をひそめる千夜の顔が容易に想像ついた。
「――用件だけ手短に話す。今日の練習、青空は来る?」
 即答できないのが辛かった。今日の夕方、千夜とスタジオに入る約束をしていた。
 本当なら今日がバイトのシフトだったのに、仕事場のシフトの都合で休日が入れ替わってしまい、溢歌への言い訳を考えなければならなくなった今日の日の負担が一つ減った――なんて喜ばしい事でも何でも無い。それに、もし溢歌が家に戻って来た時に僕が出かけたままならより悲しい思いをさせてしまいそう。
「え――あ、うん、大丈夫。問題無いから」
 しかし千夜との約束も断る訳にはいかない。悩んでしまう前に、返事をした。
「――そう。それなら、待っているから」
「あ、ちょっと待って」
「何だ」
 すぐ電話を切られてしまいそうな気配がしたので、慌てて呼び止めると不機嫌な声が返って来る。
「キュウ達が千夜の家へ遊びに行ったって、本当?」
 更に不機嫌にさせてしまいそうな問いかけをすると、やや間を置き、答える。
「来た。呼んでもいないのに。全く、キュウは余計な事を……」
 額に手を当てている千夜の姿が浮かび、つい苦笑してしまう。
「しばらく連絡が取れなかったんだから、キュウが心配するのも無理ないよ。受験で忙しい時だと思うけど、千夜を励まそうとやった事だと思うから責めないでやって」
「解って……いる。今は、ちゃんと連絡も取っているから心配無い」
「良かった。僕はその日バイトだったから無理だったけど、行きたかったな」
「貴様に来られても嬉しくないっ!!」
 おかんむりになった千夜は、勢い良く叫ぶと一方的に電話を切った。とても悲しい。実際の所、キュウと愁ちゃんだけで良かったのだろう。
 時計を確認すると、ちょうど昼時。千夜は休み時間に電話をかけて来たんだろう。そろそろテスト休みだから、追い込み頑張って欲しい。
 千夜の声を聞いて安心したのか、空腹でお腹が鳴った。とは言え、のんびりしていられない。約束の時間まではまだあるので、このまま自転車で水海に向かう事にした。黄昏の家へ行く勇気は無いけれど、近くを通れば歩いている溢歌に出くわすかも、なんてありえない期待を込めて。自分でも情けない事をしていると言う実感はあった。
 自転車で自宅から水海まではかなり遠い。一旦自転車はラバーズかイッコーの家に置いて貰い、電車でギターを取りに帰ろう。
 途中いくつか商店街を通って行くと、すっかり年末模様。歳末大売り出しののれんやらクリスマスのBGMやら。今年はあまり自分の中では盛り上がっていない。溢歌と出会ってからは周囲の時間だけ進んでいるように感じるせいか。
「お〜い!」
 黄昏のマンション近くの商店街を通ると、誰かに呼びかけられる。足を止め周囲を振り返ると、出前機を取り付けた原付に乗っているイッコーが後からやって来た。
「……イッコーって、免許持ってたんだ」
「原付のだけな。出前にゃ足が必要だからって親父が無理矢理」
 今まで全然知らなかった。
「ん、何?たそんとこへでも向かってたん?」
「いや、今日はまた別の用事で……そうだ、イッコーのお店でご飯、食べれるかな」
 このまま挨拶だけで別れてしまうより、頭を冷やす意味でも昼食を取りたかった。無闇に探した所で溢歌が見つかる訳でも無い。
「ん、いーぜ。じゃ、先戻ってるわ」
 原付で走り出して行くイッコーの後を追い駆ける。今日は色んな人と会うなあ。
 とりあえず、泊さんに会った事は話さないようにしておく事にした。


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