→Rock'n Roll→  Aozora Tokunaga  top      第4巻

   106.明日への礎

 スタジオの中は、空気が冷え込み体の芯まで冷えてしまうような外の寒さとは違い、僕と千夜が発する熱気が籠もっている。
 千夜と二人で練習するのも、今日が最後。もうクリスマスライヴは間近に控えている。僕はと言えば、バイトの無い日は家で溢歌を横目に曲作りに励んでいる。溢歌の看病のおかげで風邪は二日も経たず回復し、これで今年の冬は抗体のおかげでもう大丈夫だろうと言う気にさせられる。インフルエンザや最近流行っている感染症胃腸炎にかからないよう、二人でちゃんと予防しておかなくちゃ。
 僕がかまってくれないから溢歌は寂しいのか、家でギターを弾く手を止め休憩を取ると、すぐに絡み付いて来る。股に顔を埋め、なかなか離してくれない時もあった。まるで精魂を吸い尽くし、僕にギターを弾かせまいとしているかのよう。
 体力を使い果たし寝息を立てる溢歌の寝顔を見ながら、疲れた体を引きずり限界まで作業をするのがここ数日。今日も帰ると同じように作業をするつもりでいる。それでも集中力が続いているのは、ギターを握る事に前向きになれたからか。
 ライヴで演奏する曲はもう決まっているし、新曲は秋の時点であるものを使う。3、4回も一緒に入れば随分と二人の音も合って来た。千夜はほとんどミスをしないので、僕が頑張ってついていければいいだけ。
 だったのが、前回位から叩いている最中に千夜が何度か演奏している僕の方を確認するようになった。周囲が見える余裕が生まれているのか、一人で突っ走る事も無く僕の様子を見てくれている。うちにはイッコーと言うとてもバランスに優れたリズム取りがいるので、千夜が突っ走っても後をついていける人間がいるけれど、僕一人遅れてしまう事がよくあった。なので幾分僕の負担も軽くなった感じがある。
 これは千夜が心を開いてくれていると考えていいのかな?
 いつものように休憩まで、何度も繰り返し練習する。僕がもたつく箇所を集中し、修正する。相変わらず仏頂面の千夜だけど、前のライヴでの事件からは吹っ切れているように見えた。
「この調子なら、多分問題無い」
 数カ所あった苦手な部分を失敗せずに演奏できるようになった所で、千夜が額に汗で張り付いた髪を掻き上げ満足そうに呟いた。僕も肩からかけているギターを下ろし、そばのスポーツドリンクの入ったペットボトルで水分を補給する。こうしてスタジオに入って合わせていると、体のだるさも取れていく感じがする。
「千夜は調子も落としていないどころか、上向いてるよ。受験勉強が忙しくて鈍っているなんて事、全然無いもんね。結局本番直前までは全員揃って音合わせできないけど……不安なんて無いよ」
 ライヴ当日にまたあの連中が厄介事を持ち込んで来なければ、千夜に関しては何の問題も無いだろう。むしろ練習時間が取れないせいで、短い時間に集中し気を晴らしている感じも受ける。ドラムを叩く事でストレスを発散しているみたい。
「そうじゃない。青空の事」
「僕?」
 千夜の言葉に意外な反応をしてしまう。
「ここ一月前後続いていた反応のもたつきやケアレスミスが随分と減って来た」
「そうかな?しばらく忙しくてギターを持つ暇が無くて、最近になってようやく弾けるようにはなって来たとは言え、そこまで練習している訳でもないのにね」
 両手に視線を落とし、開いたり閉じたりしてみる。鈍っている感じはそれほど受けない、と言うか、ギターを手に取らない時間で最盛期の頃の感覚をすっかり忘れてしまっている。溢歌の為の曲作りにアコギを手にする時間が増えたので、指の皮はまた固くなって来たように感じる。
「元々、テクニックがどうこうと言う人間じゃない。気持ちの問題。腑抜けた顔が、前向きになっている」
 そう言われ、ちゃんと千夜も僕の表情を観察しているんだなと思った。茶化すとまた怒鳴られるので、あえて返事はしないで笑顔を胸の内に閉じ込めておく。しかしそこまで腑抜けていたのかな、僕?振り返ってみると、黄昏と仲が悪くなってからしばらく調子を落としていた気がする。また二ヶ月も経っていないのに、何だか遠い過去のよう。
「何だかんだで、みんな気持ちで音楽をやっているよね、僕達って」
 ここまで感情に演奏の出来不出来が左右されるバンドも無いような気がする。黄昏も千夜も精神が不安定な時にはどうしようも無くなるし、ステージの上で頭のスイッチを切り替えられない。調子がいつもいいのはイッコーぐらい。と言っても隣で演奏していると他人に気をかけている余裕がそこまで無いので、落としていても気付かないだけか。
 バンドに関しては、後は黄昏がどれだけ調子を上げてくれているか。イッコーと色々やっているみたいなので、心配はしていない。こう言う時、黄昏は必ずやってくれる人間だと信じているから。
 それよりも、溢歌の事が気になって仕方無かった。
 相変わらず、家を空ける時は溢歌の動向を気にしてしまう。大人しく居てくれればいいけれど、前に無断で飛び出した一件もあるので気が休まらない。僕は実家を出る時に普通の電話は持って来たけれど、電話線には繋いでいない。携帯電話を持っているし、自宅の電話料金まで払ってしまうと生活が辛い。
 溢歌と気軽に連絡を取れないのがもどかしい。携帯を持つ事に嫌悪感を示しているし、どこか古い世代の人間に見える。僕が現代社会に染まりすぎているだけなのかも。
「どうした?浮かない顔をして。何か悩み事でもあるのか?」
 考え事をしている僕に投げかけられた千夜の言葉に、思わず目を丸くし口を開けてしまった。
「何だ、その顔は」
「いや……千夜が他人の心配をするようになったなんて随分変わったなって」
 僕の返事に千夜が何やら驚いた表情を見せ、うろたえる。
「ばっ、馬鹿っ。私だってそれくらいはする。人を冷血漢みたいに言うな」
 どうやら、無意識の内に自分が他人の心配をしていた事に我ながら驚いたみたい。でも仕方無いか。
「いつだって千夜は余裕の無さそうな態度を取っていたからね。自分ばかり見ていて。周りに目を向けられる事ができるようになったのは、善い事じゃない?」
「確かに――切羽詰まってはいる。ただ、メンバーの心配をする余裕くらいはある」
 千夜はやや膨れっ面で無粋に言った。
「しかし、言っても聞かない連中ばかりだから」
 厳しい一言に、面食らった。とは言え、メンバーの心配をするなんておそらく『days』以外では有り得なかっただろうから、信頼は得ていられると感じられるのは嬉しい。
「特に青空は、自分が言い出して皆を集めるくせに、集中力に欠けていたり問題を起こす事が多いから」
「それはその……ほんと面目無い……」
 千夜の言葉に反論の余地は一片も無かった。思い当たる節が多過ぎ、へこむ。
「今回を乗り切ればいい。それからしばらく時間が空く。私が戻って来た時に、上達して貰わないと困る」
 千夜が自分で腕のマッサージを丹念に行いながら愚痴じみた事を言う。心が痛い。コードを弾く事すらままならなかった頃に比べると格段に上達しているとは言え、できる事が増えるとそこから技量を伸ばして行くのが難しい。今までずっと極力ミスを減らす事と、ミスした時のリカバリー、演奏に遅れない事、相手のリズムに合わせる事、それらを重点に腕を磨いて来たつもり。正直アドリブに関してはまだ覚束無い面がある。
 課題は塵山のように多い。
 休憩している千夜を横目で見て、僕は小さく息を吸い込み切り出してみた。
「ねぇ……一曲、作りかけのものがあるんだけど、聞いてみてくれる?」
 思いがけない言葉に、千夜が目を丸くする。
「新曲はやらないと言ったはずだ」
「うん、使う使わないは置いといて、一度聞いてみてよ。休憩がてらに」
 反論を聞く前にアコギをケースの中から取り出し、椅子に座る。千夜は何か言いたそうにしていたけれど、またいつもの事かと少し呆れた顔で黙っていた。
 前に溢歌に聞かせた仮歌より、更に骨組みがしっかりした状態。アレンジはまだ途中で試行錯誤の段階だけど、きちんと一曲の形にはなった。ただ、歌詞はまだ決まっていない。メロディに適当な歌詞を乗せ、描いている完成形を漠然と考えている。
 歌詞が無い状態の方が普段の歌より歌っていて恥ずかしい気もするのも不思議。千夜の突き刺さるような視線が痛い。それだけ真剣に聴いてくれていると言う事で、僕も照れで誤魔化さずに最後まで歌い切った。
「どう……かな?」
 苦笑いを千夜の方へ向ける。演奏する前と全く変わらない表情で、千夜は口を開いた。
「青空」
「何?」
「貴様がこんなにいい曲を書けるとは思わなかった」
 感心しているのか褒めているのかよく分からない澄ました表情で言うので、素直に喜んでいいものか少し戸惑った。とりあえず、はにかんでみせる。
「でも、まだ歌詞は煮詰めてないし……良さそうなメロをかき集めて合間のリフに気合い入れてみただけなんだけどね。今はこの曲の事ばかり考えていて……ライヴ前だからもっと今までの曲に集中しないといけないのは分かっているんだけどね」
 千夜に褒められた喜びを内心噛み締めながら、言い訳っぽい説明をしてみせる。溢歌以外の人に聴かせて気に入って貰えるぐらいの曲でないと、プレゼントの意味が無い。
「それでこの曲を、クリスマスライヴでしたいのか?」
「まさか。さすがに合わせる時間も無いし。それにこの曲は、『days』で使う気は無いから……」
「何故?」
 千夜に真正面から問い質され、思わず顔を上げる。
「弾き語りでそんなにいい曲なら、バンドで合わせた方がもっと良くなるに違いないのに」
 正直なその言葉に、思考回路が止まった。
「え、えと……」
「私が何かおかしな事でも言っている?」
「いや、そう言う訳じゃ……ないんだけど」
「もしかして、イッコーみたいに一人で弾き語りでもやってみるのか?黄昏無しで」
 千夜の正論責めに言葉が詰まる。正直に言える訳も無く、咄嗟に言い訳が思い付かない。
「……んと、まあ、そんなところ。そういや黄昏に歌わせるなんて、考えて作っていなかったな……」
 もしかして中々歌詞が出来上がらないのは、今までずっと黄昏が歌う事前提で曲を作っていたからなんじゃないかと思った。今回のは溢歌の為、そして僕の為に書いているので勝手が違うんだろう。
「何だまた喧嘩が続いているのか」
 頭を掻く僕の仕草を見て、呆れ顔で千夜が呟く。
「違う違う違う。いや、違わない事は無いけどそれとこれとは意味合いが違うよ。ただこの曲は、『days』の曲みたいに黄昏が歌う事前提で考えて作ってないだけ。そんな曲を作るなんて今まであまり無かったけど」
「だからか。いつもと違った感じに聞こえるのは」
 納得したように千夜は頷く。
「あの男に歌わせる事を考えているせいか、その音域の幅を全部使おうとしているもの、いつも。今の曲は振れ幅が少ない分、メロをちゃんと考えている。一つ進歩したと思う」
「あ、ありがとう……」
 千夜に素直に褒められると無性に背中がくすぐったい。
「前にも数曲試しで作ってみたのも、結局みんなには聞かせていないしね。今度新曲をまとめたテープの中にでも、それらも入れておく事にするよ」
 気分が良いので、調子に乗り答えておいた。
 しかしこの曲、クリスマスまでに形になるかな?是非クリスマスプレゼントとして溢歌に渡したいけど、時間的に少し厳しい。間に合わなかったら、お年玉にすればいいだけの話なんだけどね。
「そろそろ練習に戻るぞ」
「あ、うん」
 余韻に浸っている暇は無い。残りの時間、できる限り問題点を修正する事を心がけた。今日は昼間に入っていて、いつもより1時間多めに取ってある。千夜がテスト休みに入っているから。そろそろ終業式のはずで、今は毎日ひたすら自宅で受験勉強に励んでいるよう。
 バンドを始めた時と比べると、2年でみんなの状況も結構変わって来た。クリスマスライヴはこれまでの集大成になる。トリを努めるのは想像以上に重圧がかかるけれど、マスターの期待に応えられるようにしたい。
 そしてできれば溢歌に、そのステージを見て欲しい。
 そこでこの新曲を届けられれば最高だけど、さすがにそこまで上手く行くはずも無いし、バンドを私物化するつもりも無い。ちゃんと完成した物を届けられればそれでいい。
 練習が終わる頃には、さすがに心身共に疲れ切っていた。帰って風呂に入ったらそのまま寝てしまいそう。溢歌は出かける前に眠ったので、何か食べて行かないと。
 片付けをしながら、本番当日のスケジュールを口頭で確認しておく。4人で合わせるのは直前のリハーサルだけだけど、大丈夫だろう。こう言う事は何度も経験して来ているので、昔ほど動じなくなった。
「そう言えば、クリスマスライヴの後はどうするの?ラバーズでやる打ち上げに出る?」
 部屋を出る時に、千夜に駄目元で訊いてみる。
「出る」
 ドアの取っ手を握った千夜が振り返り、簡潔に答えた。てっきり断ると思っていただけに、思わず戸惑ってしまう。
「そうなの?」
「おそらく受験が終わるまで、次に会う機会が無いから」
 休憩室に出ると、スタジオ内とはまた違った暖房の熱気が襲って来た。入れ替わりにおやっさんが機材の手入れに行く。ソファには次に入る中高生くらいの若いバンドの子達が談笑していた。千夜と同じくテスト休み中なんだろう。
 千夜は適当にカウンター前の壁に、疲れた体をもたれかけた。いつも千夜はスタジオ入りの時に前払いしているのでおやっさんを待つ必要は無いけれど、気分の問題だろう。特に焦って急いで帰りたい様子でもない。
「そうなんだ。人混みの多い所は苦手とか言って断るものとばかり」
「別に苦手じゃない。苦手ならステージの上でドラムなんて叩かないだろう」
 いや、そう言う意味で言った訳じゃなく。どうにも千夜はピントがずれている。
「単に、絡んでくる連中が多いだけ。昔からミーティングとは名ばかりの、騒ぎたいだけの打ち上げには出ないようにしていた」
 耳が痛い。
「時間は大丈夫なの?」
「――本当に貴様は、お節介を焼くのが好きだな」
 千夜は僕に一瞥をくれてから、溜め息をついた。
「それより、酔ったキュウを介抱してあげて。確実にハメを外すと思うから」
「あー、そうだね……」
 明確に想像できてしまう所が何と言うか。
「僕も……もしかしたら早めに切り上げる事になるかもしれないけど、ちゃんと出るよ。これからの事も決めておきたいしね」
 溢歌の動向によって僕もどうするか決めたい。できれば日付が変わる頃には二人きりでいたいので、長居はしないかも。おそらくラバーズは夜が明けるまでどんちゃん騒ぎが続いているんだろうけど……ステージに立ったバンドとスタジオの関係者、更に色んな音楽業界の人達までやってくるので、毎年大賑わいになる。
 クリスマスライヴでいい演奏をしたバンドが事務所からスカウトされるのも、よくある話。ラバーズでは年に2回程、そうした大規模なライヴイベントがある。
「何ならウチに遊びに来るかい?」
 掃除の終わったおやっさんが、いつの間にかカウンターに戻って来ていた。ソファを占領していた子達も部屋に入り空いたので、僕達も移動し飲み物を頼む。
「おやっさんの家?」
「違う違う。ここもクリスマスだろうが年末年始だろうが開いているからね」
「深夜まで開けるんだ。大変だね」
「さすがに閑古鳥が鳴くけどね。たまに飛び入りで、急ぎの録音があるくらいだね」
 このスタジオには僕が働いている叔父さんのスタジオのように、しっかりとした録音設備は整っていない。空気感の出るライヴ録音をしたい時に愛用されていたりする。年末年始は料金も高めなので、好きこのんで入る奇特な人は少ないんだろう。
「ところでおやっさんって、休み取ってるの?」
「取ってるよ?たまーに夜からの営業になっている時があるだろう?」
 それって半日しか休んでいないって事じゃないですか。もしかしておやっさんは双子で、中身が入れ替わりカウンターに毎日立っているのかと変な想像をしてしまう。
 頼んだコーヒーをおやっさんが持って来てくれる。僕はミルク、千夜はブラック。
「ライヴで叩き足りなかったり失敗したと思った時はやって来るといい。部屋が予約で埋まってたり、大したモノは用意できんが、愚痴くらいは聞いてやるよ」
「まるでバーテンダーみたいですね」
 音楽仲間の疲れを癒すバーみたいなものか。ここの休憩室はシックな作りで、ソファに座っているだけで落ち着く。ミルクコーヒーを口につけると、温かさが染み渡った。
「そう言えば千夜、煙草は?吸わないね」
 黙々とコーヒーを飲む千夜が、煙草をテーブルの上に置いていない。壁にもたれかけている時も出していなかったし、ここで偶然会って以来一度も吸う所を目にしていない。
 言われてから気付いたのか、千夜もポケットを探る仕草をし、忘れていたと言う表情を浮かべた。
「ああ……別に無くても何も問題無い。家では吸わないもの」
「そうなの?」
「吸っていると、馴れ馴れしく近寄ってくる輩が減る。それに――今みたいに頭が一杯になっている時は、煙草にまで気が回らない」
 そんな物なのかな、と思った。練習やライヴで上手く行かなかった時なんかは、打ち上げの席でよく煙草を口にくわえているし本数も多い。軽いメンソールだから吸わなくても落ち着かないんだろうか?自分は吸わないのでよく分からない。
「そう言えばおやっさんって、僕達のライヴ観た事無いんだよね」
 毎日スタジオに居るので、普通に考えれば他のバンドのライヴも観ていないんだろう。
「ああ……ここにはテレビも置いてないからね。最後に観たのはいつだったか……」
 おやっさんは蓄えた白髭をさすり考え込んでいる。相変わらず謎の多い人。
「一回観て欲しいけどね。今度キュウにライヴビデオ撮って貰うように頼んでみる?」
「好きにしろ」
 千夜は興味無さげに呟いた。あまり関心が無いみたい。今後CDを作った時なんかは、PVとかもセットで作った方がいいのかな?想像してみても、格好いいシーンは浮かばなかった。僕があまりそう言った方面に興味が無いせいかもしれない。
「とにかく、次のライヴは頑張らなきゃね」
 一人意気込む。前回の大失敗もあるので、ここで評判を落としたくない。『days』の未来を占う意味でも、かなり重要なライヴとなるのは間違い無い。
「青空」
 千夜がカップを傾ける手を止め、僕の名前を呼んだ。
「次のライヴ、必ず成功させる」
 ――同じ気持ちでいる事を確かめ合え、力強く頷いた。


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