→Rock'n Roll→  Aozora Tokunaga  top      第4巻

   interlude028

 人生、どれだけ深い絶望に襲われようと、息絶えない限りは明日がある。
 もう二度と明日が来なければいいのにと眠りについても、叶う事は無い。いや、簡単に消滅を願う事のできる状況こそ、幸せな環境なのかも知れない。
 いつまでも、好きな相手と誰とでも、一緒にいたい。そう願いつつ、実際は寄せては返す波のように何度も何度も人と近づいては、離れる。
 どうしてこれほどまでに他人を求めてしまうんだろう?
 孤独でいるのが嫌なのか、一人では何もできないからか、より誰かと幸せな時間を共有したいからか。人間の種としての本能が、相手を探しているように思える。
 みんなきっと、幸せな明日を迎えたい為に、今日を生きている。だからこそ、かけがえの無い今日と言う時間を積み重ねて行きたい。そうやって、永遠に壊れる事の無い、理想的な世界を築き上げたい。
 願う事はきっとみんな同じ。だからこそ似た者同士は自然と集まって、絆を強めていく。
 そんな日々の中に人生の捜し物はきっと見つかる。そう強く信じているからこそ、僕はいつまで経っても自分から土俵を降りる気にはなれないんだろう。
 死ぬまで性善説を信じる、お人好しと言えるかも知れない。


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