interlude021
転がり続ける事を選んだのは自分の意志だった。
もうこれ以上傷ついて悲しい思いをしたり、誰かを傷つけるのは嫌なのに、それでも人と触れ合って訪れる日を一つ一つ転がっていく。
万に一つの喜びが待ってるからこの道を選んだわけじゃない。
つまらない日常で自分の身体が腐り果てていくのを眺めていたいわけじゃない。
ただ、ここにいればもう少しだけ、何かが見えてきそうな気がするんだ。
胸が晴れるほど笑い合う時もあれば、悔しさで大粒の涙を零す時もある。
誰かを殺してやりたいほど憎んだり、誰かを離れないぐらい抱き締めたり、そんな二つの気持ちを胸に抱えながら泣き笑いの夜を過ごして、朝焼けの空を眺める。
生きる意味なんて知らないけど、生きたいと思う事の意味なら少しは唄えるんだ。
自分のために、誰かのために。
俺はここにいる。
そう、ここにいるんだ。
だからこの声が枯れるまで、止まる事なく何度でも転がり続けてやるよ。
かなしみを背負いながら、どこまでも。