interlude024
人それぞれの価値観や生き方や考え方や物事のとらえ方は千差万別で大きく違う。
だから誰かの痛みに対して傍観者は察することしかできないし、こっちの苦しみを分かち合ってもらうこともできない。だけど信頼という絆で、喜びや悲しみを共有することができる。これは生物に与えられた、素晴らしい知恵だと思う。
この世の中は独りで生きていくには辛すぎる場所で、手と手を取り合うことでその足で立つことを許されてる。
そこまでして生きることにしがみつく理由は人ぞれぞれある。だけどそれよりももっと根元的な、命あるものとして産まれてきた以上何とかしてその灯火を全うしたいと願う意志が、身体に最初からインプットされてるような気もする。
人はどんなに孤独でも、人間が好きなんだ。街中に溢れるものは誰かの手垢がついたものばかりで、声なり音なり言葉なり物語なり、心を潤すために手に入れる。衣類なり食事なり交通手段なり生活用品なり、生きるために受け入れる。
そう、誰も変わらない。
自分が特別であるということは、自分がこの世界に生まれてきたということだけだ。